Googleサジェストに表示される検索候補の中には、企業や個人の評判を損なうようなネガティブワードが含まれてしまう場合があります。こうした不適切な予測候補に対しては、Googleが提供する削除申請フォームを利用することで、公式に削除依頼を行うことが可能です。ただし、単なるイメージの悪化や気に入らないキーワードという理由だけでは削除が認められないため、申請の方法やポイントを正確に把握しておくことが非常に重要です。
削除申請の前提として、Googleはサジェスト表示に関して「ポリシーに違反していると明確に認められる場合」のみ削除に応じるというスタンスをとっています。したがって、主観的な不快感や企業イメージの毀損といった理由だけでは不十分です。Googleが削除の対象とみなすのは、以下のようなケースに限られます。
- 誹謗中傷や名誉毀損に該当する表現が含まれる場合
- 個人情報が不正に含まれている場合(住所、電話番号、メールアドレスなど)
- 違法行為や差別的表現が含まれている場合
- 社会的に悪影響を及ぼすと判断される極めてネガティブな文言
申請を行う場合は、Googleが提供する公式フォームを利用します。このフォームは検索結果ページから直接アクセスできるため、特別な申請システムのアカウントを持っていなくても、誰でも利用することができます。フォームに必要な情報は次の通りです。
| 項目 |
内容の記載例 |
| 氏名 |
本人のフルネーム、または企業代表者名 |
| メールアドレス |
連絡が取れる正規のアドレス |
| 該当するURL |
サジェストが表示される検索結果のURL |
| 削除を希望する候補語句 |
表示されている不適切なキーワードを正確に入力 |
| 申請理由 |
名誉毀損、プライバシー侵害など具体的に記述 |
| 添付資料 |
証拠となるスクリーンショット、報告書、文書など |
削除申請を通過させるためには、入力情報の正確さと申請理由の明確性が非常に重要です。たとえば、「Googleサジェストに『詐欺』という言葉が表示されていて困っている」という主張だけではなく、「掲載されているキーワードにより、実際に問い合わせ件数や契約率が低下した」など、実害のある事例と客観的データを合わせて記載することが、審査通過率を高めるカギになります。
また、Google側は削除可否の判断に一定の期間を要します。一般的に、削除の可否が通知されるまでには数日から数週間かかることがあります。進捗状況に応じてフォームを再提出することも可能ですが、同一内容の繰り返し申請は避けるべきです。信頼性の高い証拠を一度で提出し、正当な理由を明示することが基本となります。
Googleサジェストに表示される予測候補は、削除申請のほかにも、ユーザーの端末設定で一部「非表示」にすることが可能です。特にGoogle ChromeやSafariといったブラウザでは、設定を変更することで予測候補の表示を抑制できます。ここでは、今年時点での最新手順をデバイス別に詳しく解説します。
サジェストを非表示にする理由は人それぞれです。たとえば、自分の検索履歴が表示されるのが恥ずかしい、過去のネガティブワードを目にしたくない、業務上の情報漏洩を防ぎたいといったケースがあります。設定によっては検索候補の一部だけを非表示にすることも可能で、カスタマイズの柔軟性も高くなっています。
以下にPCとスマートフォン(iPhone、Android)それぞれの設定手順をまとめた表を示します。
| デバイス |
ブラウザ |
非表示手順 |
| PC |
Google Chrome |
設定 > 自動入力 > オートコンプリートの候補をオフ |
| PC |
Safari |
環境設定 > 検索 > 検索候補を表示のチェックを外す |
| iPhone(Safari) |
Safari |
設定 > Safari > 検索エンジン候補とSafari候補をオフ |
| iPhone(Chrome) |
Chrome |
設定 > プライバシー > サジェスト検索候補を無効化 |
| Android |
Chrome |
設定 > Googleサービス > 自動補完予測をオフ |
この設定は端末やアカウントに依存するため、複数のデバイスを使っている場合は、それぞれの端末ごとに設定を行う必要があります。また、Googleアカウントにログインしている状態だと、アカウントに紐づいた履歴や予測候補が優先表示されることがあるため、設定を変更しただけでは完全に非表示にできないケースもあります。
さらに注意点として、ブラウザのキャッシュやCookieが影響を与えている場合もあります。たとえば、設定を変更したにも関わらずサジェストが表示され続ける場合は、キャッシュの削除や再起動、Googleアカウントからの一時ログアウトなどを試すことで解決することがあります。
以下は非表示設定後に反映されない原因と対応策をまとめた表です。
| 症状 |
想定される原因 |
推奨される対応策 |
| サジェストが消えない |
キャッシュ・Cookieの影響 |
キャッシュ削除、Cookieのクリア |
| 一部だけが消えていない |
ログイン状態での個人設定が優先されている |
Googleアカウントの履歴削除、ログアウト |
| スマホでは反映されていない |
モバイルブラウザ設定が未変更 |
ChromeアプリやSafariの設定を個別に見直す |
| 設定をしても再表示されてしまう |
Google側のアルゴリズムによる再生成 |
定期的な見直しとオフ設定の維持 |
| 検索結果の下に候補が残っている |
ブラウザではなくGoogleサービス側の表示 |
Googleアカウント側での予測候補設定を変更 |
このように、サジェスト非表示の設定は非常に細かく、かつ端末や利用環境によって挙動が異なります。正確な手順を知り、自分の目的に合わせて適切な設定を行うことで、快適な検索環境を維持することが可能となります。
なお、業務上のセキュリティ対策や家族間のプライバシー保護など、目的別に設定を調整することも非常に有効です。たとえば子どもが使うiPadでは、Safariの検索候補をあらかじめオフにしておくことで、不要なキーワード表示を未然に防ぐことができます。