アプリ制作の全体の流れ・総費用
まず初めにアプリ制作の流れを確認したあとに、開発から保守・運用までのアプリ制作にかかる費用全体の相場を解説していきます。
アプリ制作の流れ
アプリの制作を発注してからの流れは、以下の通りです。
1.要件定義・設計
2.プログラミング
3.テスト(システムテスト・運用テスト)
4.ストアへのリリース申請・納品
5.保守・運用
上記の1~4が開発の部分にあたります。
外部に発注する場合でも、要件定義・設計段階で発注先の会社と緻密に連携をとり、打ち合わせをすることで、良質なアプリに仕上げられます。
また、それが結果的に保守・運用のコストを抑えることにも繋がります。
費用については、
・開発費用
・保守・運用費用
上記の2つに分かれます。
なぜ2つに分かれるのか、詳しい理由の説明は本記事の趣旨とずれるため割愛しますが、そもそも契約形態も契約の内容も異なるため、当然費用も別々に発生することになります。
また、費用を支払う回数も異なります。アプリを開発するのは基本的に一回きりになるため、開発費用払いきりになりますが、保守・運用はアプリの運営を終了するまで継続的に行っていく必要があるので、保守・運用費用の支払いは継続的に発生します。
それでは、次に開発時の費用と保守・運用時の費用についてどのくらいかかるのか解説します。
開発にかかる費用の相場
結論から申し上げると、平均的な相場は250万円と言われています。
しかし、実際は作るアプリの種類や、組み込む機能によってピンからキリまで変動するため、安ければ50万円で済みますが、高ければ2000万円もの費用が必要になることもあります。
これほどまでに開発にかかる費用に差が出る理由については、後ほど詳しく解説します。
保守・運用の相場
こちらも結論から申し上げると、だいたいアプリの開発にかかる費用の15%程度が、年間の保守・運用にかかる費用の目安であると言われています。
つまり、開発にかかる費用が50万円の場合、7.5万円の費用が必要となり、開発で2000万円の費用を欠けた場合、300万円の費用が毎年発生するということです。
しかし、これはあくまで目安であり、実際のところ、アプリに集客してユーザーを増やすためには度重なる修正、機能追加やアップデートが必要となるため、さらに費用がかかることも多いです。
予想外の出費を増やさないためにも、アプリ制作の専門家と綿密に要件定義や設計を行い、将来的にかかる保守・運用費用を抑えるようにしましょう。
開発にかかる費用の詳細
ここでは、さきほど取り上げた「安ければ50万円で済みますが、高ければ2000万円もの費用が必要になる」という1文について詳しく解説していきます。
アプリの種類や機能によって開発にかかる費用は大きく変わる
まずは以下の表をご覧ください。
アプリの種類 |
開発費用の目安(降順) |
SNS位置情報系 |
500万~1,000万円 |
ゲーム系 |
300万~1,000万円 |
通話・メッセージアプリ系 |
100万~500万円 |
ショッピングカート系 |
100万~300万円 |
ツール系 |
50万~300万円 |
カタログ・フリーペーパー系 |
50万~100万円 |
オプションの種類 |
開発費用の目安(降順) |
アプリ内課金/多言語/マップ対応 |
それぞれ10万~20万円 |
SNS連携/アクセス解析 |
それぞれ5万円 |
上の表を確認するとわかりますが、一番費用が高いアプリの種類は、一番費用が安いアプリの種類の10倍もの金額になります。
それに加えて、どのようなオプションをつけるかによっても費用は変わってきます。
また、機能毎の費用は以下の通りです。
機能 |
開発費用の目安(最高金額で降順) |
プッシュ通知機能 |
10~100万円 |
デザインの作成・実装 |
50~100万円 |
個人情報の取得 |
50〜80万円 |
アプリ内の決済システム |
20~50万円 |
ログイン機能(メールアドレス) |
20~50万円 |
チャット・メッセージ機能 |
20~40万円 |
他アプリとの連携機能 |
5~40万円 |
位置情報機能 |
12~25万円 |
個人情報の登録 |
10~20万円 |
ログイン機能(SNS) |
10~20万円 |
カメラ/通知/音声 |
それぞれ10~20万円 |
縦/横の表示切り替え機能 |
5~10万円 |
ナビゲーション機能 |
2.5~5万円 |
上の3つの表はあくまで目安であって、具体的にかかる費用については専門家に相談して、見積もりを出してもらわないとわかりません。
ほとんどの場合、アプリ制作を請け負っている会社のホームページに載っている費用は最低価格であり、調べた情報だけで判断するのは危険です。
アプリ制作に興味がある場合は、具体的にどれくらいの費用がかかるのか自分で調査するよりも、実績と信頼のある専門家に相談してみることをおすすめします。
場合によっては、開発にかかる費用は2倍になる
お気づきの方もいるかもしれませんが、開発にかかる費用の相場として、「安ければ50万円で済みますが、高ければ2000万円もの費用が必要になる」と先述しましたが、さきほどの表では上限が1000万円でした。
それでは、なぜ高ければ2000万円とご説明したかというと、iOSとAndroid OSの2種類に対応したアプリを開発する場合、費用が2倍になる可能性があるからです。
iOSとAndroidOSについてご説明すると、iPhoneやiPadなどのApple製のスマートデバイスはiOSというシステムを採用していますが、AndroidなどのスマートフォンやタブレットはAndroid OSというシステムを採用しています。
iOSとAndroid OSでは、そのシステム上で動くアプリの作り方がほとんどの場合は異なってしまうので、かかる時間が2倍になり、費用も2倍になってしまうということです。
開発にかかる費用が高くなる理由は人件費がかかるから
これまで、開発にかかる費用についてご説明してきましたが、費用の算出方法について気になる方もいるのではないでしょうか。
結論から申し上げると、費用のほとんどは人件費が占めています。
アプリの開発には、エンジニアの他にもデザイナーなど多くの人々が携わることになります。そのため、アプリの規模が大きくなればなるほど、費用が高くなります。
もし費用を抑えたいのであれば、
・デザインは自社で用意する
・開発する機能を減らす
・iOSかAndroid OSどちらか一方にのみ対応する
上記の3つの例を参考に、人件費を少しでも抑える方法はないか考えてみるといいでしょう。
保守・運用にかかる費用の詳細
主に費用が発生する項目は以下の通りです。
・機能追加費用
・アプリの改善・アップデート費用
・バグ・トラブル対応
・OSアップデート時の対応費用
・サーバー代
・ドメイン費用
アプリのユーザーの数やアプリの規模によって、費用は大きく変動するします。そのため、上述した「アプリの開発にかかる費用の15%程度が、年間の保守・運用にかかる費用の目安」だということしかこの場では申し上げられません。
保守・運用にかかる費用で一番大きいのは、機能追加費用とアプリの改善・アップデート費用なので、これらを抑えることができれば、保守・運用にかかる費用を削減することができます。
しかし、実際にアプリを運用する場合、ユーザーを増加させるために様々なテストを行って、そのうえでアプリの改善・アップデートをする必要がありますし、場合によっては機能追加をする必要があるので、保守・運用の費用を抑えるのは難しい場合が多いです。
そこで、次の項目では、保守・運用にかかる費用を抑える項目についても解説します。
アプリ制作を外注するときの注意点
良質なアプリを制作したいけど、コストはできるだけ抑えたいという場合は、以下の2点に注意してください。
要件定義・設計によって費用は大きく抑えられる可能性がある
これまで本記事を読んでくださった方ならお気づきかもしれませんが、アプリは無駄な機能を減らせば減らすほど開発の費用を抑えることができます。
そして、開発の費用を減らせば、保守・運用にかかる費用も抑えられます。
他にも、テストの仕方を工夫して、アプリの改善・アップデート費用を抑えたり、費用を削減できる方法は考えればいくつか見つかります。
アプリ制作にかかる費用を抑えるために、最も重要なのは要件定義・設計を緻密に行うことです。要件定義・設計はアプリの開発や保守・運用の土台と言っても過言ではないため、一番力を入れる必要があります。
安ければいいというものでもない
優秀な人材には、当然大きな報酬を払わなければなりません。そのため、質の良いサービスほど、サービスの金額が高いことは多いです。
要件定義・設計という土台を築く部分は、アプリ制作の中でも非常に難しく、アプリの制作経験が豊富で、信頼と実績がある専門家に任せるのが一番安全です。
開発にかける費用と保守・運用の費用の2つの費用の総合金額を減らしたい場合は
・どれくらいアプリの改善・アップデートをしたいか
・機能追加は積極的に行っていくのか
上記の2点を意識して、慎重に外注先を選ぶことをおすすめします。
まとめ
本記事では、アプリ制作の開発から保守・運用の流れ、外注時にかかる費用とその抑え方について解説しました。アプリ制作は費用がかかるため、より安く開発してくれる企業を探し求めてしまうこともあるかもしれません。
しかし、アプリ制作の場合、開発の費用が安くても要件定義・設計が甘かったため、結果的に保守・運用でかかる継続的な費用が高くつくということも珍しくありません。
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